一足先に満開の桜2023/03/14 20:05

ここ数年、桜の様子がおかしい。
開花が早くなっているのである。
東京は、今日、ソメイヨシノが開花した。
これは史上最速のタイ記録だそうで。

桜の開花はソメイヨシノを基準としているが、ソメイヨシノよりも一足先に咲くヒガンザクラはどうしているだろう。

今日はテレワークなので、昼休みに地元を散歩していたら、満開の桜を見つけた。

ソメイヨシノによく似た色の花は、少々小降り。
確認してみると「タカトオコヒガン」という桜であった。

そう、エドヒガンザクラと同じヒガンザクラである。

かつては、その名の通り、お彼岸の頃に咲くから「ヒガンザクラ」と呼ばれていたわけだが、近年ではお彼岸の時期にソメイヨシノが咲いてしまうため、ヒガンザクラはお彼岸の前に咲くことが多くなった。

今年のソメイヨシノの開花は記録的に早いため、ヒガンザクラはあわてて咲いたような感じ。

なんか気の毒だなぁ・・・。

それでも、一足先に満開の桜を見ると、いよいよ桜シーズン本番であることを実感する。

ちなみに、河津桜など早咲きの寒桜系もまだ咲いているため、早咲きの桜と、少し早めのヒガンザクラ、そしてソメイヨシノが同時に見られる、なんとも不思議な状態である。
※本来なら、寒桜系が葉桜になった頃、ヒガンザクラやソメイヨシノが咲くのだが、今年はかぶっている。

何はともあれ、やっぱり桜は良い。
開花という言葉に心が弾むし、街中が一気に明るくなってきた。

マスク制限も緩和されたし、今年はどこの桜を見に行こうかなぁ。

満開のエドヒガン桜(青山墓地)2023/03/19 23:32

前日の雨と寒さから一転、太陽と暖かさが戻ってきた彼岸の入りの今日。開花した東京の桜を見に、青山墓地へ行ってきた。

青山墓地は、都内でも屈指の桜の名所で、墓地の中央通りは桜並木となっている。
多くの桜の木が植わってるが、その8割程がソメイヨシノであり、ソメイヨシノ以外では、エドヒガン、シダレザクラ、ヤマザクラ、オオシマザクラ、ヨウコウなど、多数の品種がある。

さて、今日は彼岸の入り。墓地には多くの方がお墓参りに来ていた。ソメイヨシノは3/14に開花したが、18日の寒の戻りによる影響もあり、木によってばらつきはあるものの、ほとんどの木で2~3分咲きであった。

そんな中、ソメイヨシノよりも一足先に開花するエドヒガンが満開をむかえていた。
その名の通り、お彼岸の時期に咲くことから「ヒガンザクラ」と呼ばれているが、今年はエドヒガンの開花も早かったようで、彼岸の入りの日に合わせるように満開となっていた。

桜を撮る人、眺める人、桜の木の下のベンチで休む人、満開の桜を思い思いの形で楽しまれており、桜もそんな人達を優しく見守っているようであった。


ここでエドヒガンについて少し語ろう。
毎年、我々の目を楽しませてくれる桜。代表品種はソメイヨシノで、一部の地域を除いて、開花宣言の対象となるのは、全てソメイヨシノである。

淡いピンク色の花と、豪快に咲く姿に、多くの人が魅了されている。そんなソメイヨシノに、写真のエドヒガンはどことなく似ていないだろうか。それもそのはず、エドヒガンはソメイヨシノの片親なのである。

ソメイヨシノは、江戸時代に染井村(今の駒込付近)の植木職人によって、エドヒガンとオオシマザクラを交配して作られた、園芸品種(鑑賞用)である。このため、双方の特徴が受け継がれている。

花の大きさと形はオオシマザクラから、花の色や咲き方(葉よりも先に花が咲く)はエドヒガンから受け継がれたもの。だから、色や咲き方がエドヒガンとソメイヨシノは似ているのである。

ちなみに、エドヒガンは野生種で長寿なことから、巨樹の一本桜が多く、樹齢2000年超の神代桜(山梨県)、樹齢1500年超の淡墨桜(岐阜県)、樹齢1000年の樽見の大ザクラ(兵庫県)、醍醐桜(岡山県)など、樹齢1000年を越えるものも存在する。


毎年、ソメイヨシノが満開になる頃に桜を見に来るため、なかなか満開のエドヒガンを見ることができないでいたが、今年はなんとか間に合って良かった。


今年も本格的な桜シーズンが到来した。
今後、各地で開花が進むであろう。
春先のとても楽しい時期。今年は制限がないのでしっかり楽しもう。